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光がおさまると、そこに唯人の姿はなく、入れ替わるようにして松下先生が立っていた。
一瞬、自分がどこにいるのかわからなくなった。
「これ、よかったら使って」
先生がすっとポケットティッシュを差し出した。そのとき、自分の目から涙が流れていることに気がついた。
「すみません。この教室に入ると、どうしてもみんなのことを思い出してしまって……」
私は手渡されたティッシュで涙を拭き、鼻をかんだ。先生は心配そうに私の顔を覗き込んだ。
「大丈夫……?」
「はい」
私は唇を強く結んでうなずいた。うなずいてから、大きく深呼吸し、とびっきりの笑顔を作ってみせた。
唯人が一番好きだと言ってくれたこの笑顔を。