慌てて自分の身体を確認すると、とっくの昔に捨てた茶色いロングワンピースを着ていた。髪は肩下までしかない。
私服姿ではあるけど、タイムリープ自体はしている。
どういうこと……?
一瞬、パニックになった。
視線を動かし、時間割黒板の日付を確認した。そこには10月23日の月曜日とあった。
23日?
昨日が20日だったから、今日は21日のはず……
あっ、と声が出た。
今日は土曜日。学校が休みだ。
ということは、誰も来ないんじゃ……
私は窓辺に走り寄り、外を見渡した。
視界に映るものは、建設中の新校舎だけだった。生徒の姿はどこにもない。
「——あれ? リリ?」
突然、後ろで声がした。
はっと振り返ると、私服姿の唯人が息を弾ませながら、早足でこちらに近づいてきていた。