「あっ、そろそろ昼休み終わるね」
智ちゃんが時計を見上げながら、何気なくつぶやいた。
その言葉を聞いた途端、抑え込んでいた感情が爆発した。隣に座っている智ちゃんの腕にしがみつく。
「嫌だ……戻りたくないっ!」
「えっ、突然どうしたの?」
「うぅ、嫌だ。嫌だぁ。みんなのいない未来になんて戻りたくないよ」
私は駄々をこねる子供のように、泣きながら足をバタバタさせた。自分でも何を言っているのかわからなくなった。
「なになに?」
「凛々子、まさか本当に酔っ払ってんの?」
教室内の空気が一気にざわついたものになった。智ちゃんたちは戸惑うようにお互いの顔を見合わせている。