大通りを走るバイクはヒロの言っていたとおりスピードは速かったけれど、ヒロの背中が頼もしくて怖さなんて一ミリも感じなかった。
ヒロはサンドイッチ屋に寄ってくれて、そこで私はたまごサンドとフルーツサンド。ヒロはツナサンドとBLTサンドを購入した。
そして商品は持ち帰りにして、再びバイクで移動する。次に着いたのは、コバルトブルーが広がる海だった。
私たちは砂浜へと腰を下ろして、先ほど買ったサンドイッチを袋から取り出した。
ヒロは相当腹ぺこだったのか、すぐにフィルムを剥がしてBLTサンドを頬張る。私も同じようにたまごサンドを口に入れると、食感がふわふわで感動した。
「なにこれ美味しい……!」
サンドイッチなんて、どれを食べても同じだと思ってたけどコンビニのとは全然違う。
いつも朝ごはんは食べても食べなくてもどっちでもいいから、そこまでお腹は空いていなかったはずなのに、私はたまごサンドをぺろりと食べてしまった。
そして二つ目のフルーツサンドに手を伸ばしたところで、ヒロが「ふっ」と笑う。
「お前、俺といたらブクブク太りそうだよな」
「え……」
た、たしかにそうかもしれない。今までわりと少食で、サンドイッチなんてひとつ食べれば満足だったはずなのに。