「なんかお前、ずいぶん小さくなったな」
「……え?」
「痩せたっていうか、やつれた?」
ヒロの言葉に、私は髪の毛を触るふりをして顔を隠した。
体重計には乗ってないけど、自分の身体が軽くなってきたことは分かっている。この4日間まともにご飯を食べていないし、食欲も湧かない。
そういう姿も、あまりヒロには見られたくなかった。
「アイツが心配してた。メールしても返ってこないし、電話もシカトされてるって」
すぐに奏介くんのことだって分かった。
「なんか嫌われるようなことしたかなって気にしてた。アイツちょっとストーカー気質なとこがあるから、お前が通学路で通るコンビニの前にいても全然いねーって」
「……な、なんで私なんかにそんな……」
「アイツは一度友達だって思うとしつこいんだよ。厄介なヤツに目をつけられたな、お前も」
……ってことはヒロも?
たしかにふたりは正反対な気がするし、なんで仲がいいんだろって不思議に思うけど、それ以上に奏介くんは魅力がある人なんだと思う。
ヒロが一緒にいるんだから、そうに決まっている。