次の日。浮かない顔の私を見てヒロが一言。


「なんでそんなにため息ばっかりついてんの?」

それはヒロのことが気がかかりだからと言おうとして。でもわざわざ隠しているものを問い詰める勇気もなくて。

そのうえ私にはもうひとつため息をつかざるおえないことがあったのだ。それは……。


「へえ、登校日なんてあるんだ。俺の学校はそういうのねーや」


そうなのだ。明日は夏休み中だというのに学校に1日だけ登校しないといけない日。

強制参加ではなく、欠席しても欠席扱いにはならないらしいけれど、登校日に一部の課題の提出日が指定されている。

しかも強制参加ではないくせに、登校日に提出しなかった人は翌日再登校という結果的には絶対に行かなくてはいけない規則。


提出する課題はやってあるから問題はない。問題なのは、学校に行くためには制服を取りに家に帰らなきゃいけないことと、クラスメイトと顔を合わせるという憂鬱さ。

ただでさえヒロのことで頭がいっぱいだというのに、どうしてこんなイベントが重なってしまうのかな。