「わあ、やっちゃった……!」
そのあとピザを食べはじめた私たち。暫くして奏介くんが肘でコップを倒してしまい半分以上入っていた麦茶が床へと溢れた。
「だからてめえは家に呼びたくねーんだよ」
「ひどい。わざとじゃないのに」
「……たく。今タオル持ってくるからそこから一ミリも動くな」
そう言ってヒロが洗面所へと立つ。
さっきの内服薬の袋は、とりあえず元の場所に戻しておいたけれど、頭はもうあの薬のことばかり。だからピザはまだ一枚も食べられていない。
「サユちゃん、どうかした?急に口数が減ったけど、もしかしてピザ嫌いだった?」
奏介くんが隣で心配そうな顔をしている。
「う、ううん。ピザは好きですよ」
好きだけど、今は上手く喉を通っていかない。
「あの……奏介くん」
「うん?」
「ヒロって普段からなにかの薬とか飲んでたりしますか……?」