私は浅い眠りにつきながら、夢を見た。

それはやっぱりあの男に痛めつけられている夢。


暗闇の中で私の身体をまたぐようにして黒い影が怪しく動く。そしてゆっくりと手が伸びてきて、それは私の首へと絡みつく。


『……っ』

息ができなくて、ジタバタと足を動かすと『騒ぐな』と、顔を殴られ、大人しくなればまたぎゅっと男は私の首を締める。


『へへ、大丈夫。殺さねーよ』

薄ら笑いを浮かべて、私が死なないギリギリの苦しさだけを与えては喜ぶ。


いっそのこと殺したらいいのに。


そしたらコイツは犯罪者になるのに、私は生死の狭間を繰り返すだけで、向こう側には行けない。


なんで私だけこんな目に遭わなきゃいけないんだろう。


私がなにをしたの?

私はなにをすれば、この恐怖から解放されるの?


私は夢から覚めた。でもまるで夢の出来事が現実でも続いてるみたいに首が締まって息ができない。


「ハアッ……ハアッ……」


どんなに息を吸っても吸えない。

それと同時にまたズキズキと全身が痛くなってきて、私はベッドの上でもがきながら身体を小さくさせる。