「インスタ映えもしますし、今しか食べられないものですので、いかがですか?ご注文していただければ他のお食事もお会計の際に10%オフになるサービスもやってます」


とても笑顔で薦められてしまってるけど、そもそも私たちは……。



「じゃあ、それもひとつ」

そう、言ったのはヒロだった。


「かしこまりました」

店員さんが席から離れていく中で、ヒロは涼しい顔をしてメニュー表を元の位置に戻している。


「……ヒロってパフェ好きだったんだ」

なんとなく甘いものは苦手なのかなって勝手に思ってた。


「ちげーよ。10%オフになったほうがいいだろ」

「でも私たちカップルじゃないし……」

「店員からはそう見えてたんじゃね?」

ヒロはやっぱり涼しい顔をしてお水を飲んだ。


……ヒロは私が彼女だと思われてイヤじゃないんだろうか。それともそれ以上にサービスが魅力的だっただけ?


ヒロはカッコいいから、私なんて全然釣り合わないことも分かってるし、こうして一緒にごはんを食べたり話せてるだけで十分だって思ってる。


でも私はヒロへの気持ちを自覚してしまってるから……。

カップル限定のパフェを頼んだだけで、いちいち胸が高鳴ってしまうよ。