ベッドの下には脱ぎ捨てられた先ほどのヒロのズボン。

ここに来た時は脱いだものや出したものはきちんと片付けていたヒロだけど、最近はけっこう雑に置かれていることもある。


この度に私がこうして畳んだりしてるんだけど、もしかしたら、ヒロはやってくれる人がいなかったから自分でやっていただけだったのかもしれない。

そう考えると少しは私に心を許してくれてるのかな、なんて思ってみたりしながら、私はヒロのズボンへと手を伸ばす。

ポケットにはスマホとお財布が入ったままで、そっと分かりやすいテーブルの上に置いた。


よく見るとまだポケットにはなにかが残っていて、それは正方形の透明なケース。

中には仕切りが四つ付いていて、そこには種類の違う薬が入れられていた。


……なに、これ。

なんでこんなに薬が?全部ヒロの……だよね?


寝息をたてているヒロを見ながら、ざわっと心が騒がしくなった。