パラパラとアルバムをめくりながら、私が知らなかったヒロの時代の写真を見れることが嬉しい。

だけど、ひとつ気になることが……。


「もっと小さい頃の写真はないんですか?」


アルバムにはたしかにヒロの成長記録が納められているけれど、1ページ目からもう小学生の写真で、しかも年齢は高学年。

ヒロの赤ちゃんの頃から小学2、3年生までの写真がどこにもないのだ。


「ごめんね。あんまり小さい頃の写真は撮ってないんだ」

そっか。ちょっと残念。ヒロの一番可愛かったであろう幼い時の写真を見てみたかったのに。


そんな心の声がどうやら顔に出すぎてしまったみたいで、美幸さんは「でも一枚だけならあるよ」と、最後のページに何故か裏返しにされていた写真を抜き取ってくれた。


そこには小学校低学年の背の低いヒロが写っていた。

どこかの庭のような場所で、足元には緑色の芝生。

無邪気にピースをしているヒロの横には同い年くらいの可愛い女の子がいて、ふたりが仲良く手を繋いでいる写真だった。



「……この子は?」

「ヒロの友達だった子」


お人形さんみたいに髪の毛はふわふわだし、本当に可愛い。でも〝だった子〟ということは今は友達ではないんだろうか。

ヒロと同い年から18歳だし、きっとものすごく綺麗な人になっていそうだけど。