そのあとは他愛ない雑談をして、美幸さんは美味しいアイスミルクティーを作ってくれた。エアコンが効いた部屋でリラックスしていると……。
「サユちゃん。これ見る?」と、美幸さんが別の部屋から水色のアルバムを持ってきてくれた。表紙には名前シールで【ヒロ】と書かれてある。
「見ます……!」
私は即答だった。
写真が整理されたアルバムにはヒロの小学生から中学生までの記録が映っていて、顔は幼いけど小学生からヒロはあまり変わってない。
しかも中学生の時なんて晴丘の制服とは違って学ランで、この頃から相当女子にはモテたはず。髪の毛は黒髪だけど、その代わりとても派手なオレンジ色の髪色をした人物が隣に……。
「え、これ奏介くんですか?」
リーゼントのように髪を固めて、おまけに眉毛はほとんどない。怖いというか、荒れている。ものすごく。
「ああ、そうそう。アイツ本当どうしようもない不良だったの。奏介の影響でヒロもバイク覚えちゃったし、ヒロの素行が悪くなったのは半分奏介のせいだと思ってるから」
美幸さんは呆れた顔をしていた。
奏介くんが前にヒロとのエピソードを話してくれた時、『自分から喧嘩を吹っ掛けた』『それなりに俺は喧嘩が強かった』なんて言ってて私はあんまり信じてなかったけど、どうやら本当のことだったようだ。