「ヒロは……私生活ではどんな感じなのかな?聞いてもちっとも教えてくれなくて」
美幸さんの声のトーンが変わった気がしたけれど、私は自分が知ってる限りのことを伝える。
「しっかり者だと思います。夏休み中はほぼ毎日バイトしてますけど、疲れてても美幸さんが送ってくれたものを温めて食べてますよ」
私も頂いてしまってるけど、ヒロは食事を抜くことはないし、それなりに身体には気遣ってると思う。
「そっか。ヒロは中学卒業と同時に家を出ちゃったから今でも心配なんだよね。ヒロが寝てるから話せるけど、実はうちの両親とあんまり関係が上手くいってなくて」
そういえばヒロからご両親の話は聞いたことがないし、そもそも私と同じで自分のことは話さない気がする。
「と言ってもヒロの反抗期が続いてるだけなんだけど、全然実家にも顔を見せないの」
「そうだったんですね……」
私が知らなかったヒロの部分。
それを聞いてしまっていいのか分からないけれど、今はヒロのことならなんでも知りたいと思ってる自分がいる。