ヒロは私がいきなりそんなことを言ったことに驚いているようで、瞬きを繰り返している。


「それで、何があっても今度は三等分しよう。痛みも三等分」


二人では重すぎて持てない荷物も、三人でなら持てるかもしれない。

二人で解決できないことも、三人でならいい方法が見つかるかもしれないでしょ?

そう告げると、ヒロは眦を下げて。


「三等分か……いいアイデアだな」


それなら遠慮なく巻き込んでやると、息を漏らして笑った。

そして、乗船する為に立ち上がった私に合わせてヒロも腰を上げる。


「またな、凛」

「うん。また会おうね」


挨拶を返すと、ヒロの大きな手が私の頭をくしゃりと撫でて。

ありがとうの気持ちを胸に私たちは笑みを交わし、手を振りあった。