もしかしたら、ナギは島にいない可能性もある。

ナギは私よりひとつ年上で、今は高校三年のはずだ。

島には高校が二つあり、住み続けているならどちらかに通う人が多いだろう。

けれど、本土の高校を受験していて寮生活をしているとすれば、いくら私が記憶を頼りにナギを探して歩いても、出会えることなく旅は終わる。

でもその時は、せめて神社でナギがどこにいるかだけでも知れたらいい。

それに、私が会いたい人はもうひとりいて、彼に会えればナギがどこにいるかは恐らくすぐにわかるだろう。

彼も島を出ていなければ、の話だけれど……。


「……大丈夫」


きっと、この勾玉がナギへと結び、繋いでくれる。

そう信じて、私は乗船口へと移動した。