でも。

そこに立っていたのは聖母のような微笑みを浮べた“河原さん”だった。

「私はね、何も婚活の為に女を上げてるわけじゃないのよ?

私は私自身のために女を上げてるの。

だってよ?ジムで鍛えれば心身ともに健康に毎日を過ごせるじゃない?

毎日の着替えのたびに綺麗なスタイルが映って幸せな気持ちで一日をスタートできるじゃない?

料理だってそうよ?バランスをとって。尚且つ美味しい料理で。

確かに誰かのために作る料理も楽しいんだけど。

だけど自分のために作る料理もなかなかいいものなのよ?

あらやだ。時間がないのに話しが逸れちゃった。

まあ、要するに。

私はあなたにもっと自分を見つめて欲しいって思ったの。

だから残ってもらったのよ」