「大丈夫!」

「そう?でも僕たち同じクラスだよ?」

「へ?」

まあ、確率的にはあり得なくないけど。

名前も知らないのにそんな断言する?

「あ!かえちゃん!」

そこでやっと私の目はかえちゃんを見つけだす。

ああ、やっぱりかえちゃんは大親友だ。

ピンチな時には必ず現れてくれる。

「ふふっ。見つかったんだ。残念。

じゃあ僕は先に教室に戻ってるね。

またね、由ちゃん」

「え?」

思いかけず聞こえてきた自分の声にその声の方へと振り返る。

も、その男子は人の波に紛れていてどこにいるかも分からなくなっていた。