「大丈夫!?」

誰かに支えられて倒れずに済んだ体。

そのすぐ横から聞き慣れない男子の声が落ちてくる。

「ごめんなさい!」

「惚けてると危ないよ?」

名前は知らないけどどうやら同じ学年なのだろう。

その男子の胸には私のと同じ色の校章がピカピカと光っている。

「うん、あの、ありがとう」

回されたままの腕がなんだかこそばゆくて顔をうつ向けながら感謝を伝える。