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「由!」

いっちゃんに引き止められ、部屋に上がるとそこにはお姉ちゃんがいた。

「お姉ちゃん?」

今度はお姉ちゃんに抱きしめられた。

さっきいっちゃんに抱きしめられたのと同じく。

とても柔らかく包み込まれる。

「由!ごめんね!ごめんね!」

お姉ちゃんの目からは大量の涙が流れていた。

その涙は全部、私が作り出したもの。

だけど私はそれを止める術を知らないから……。