大きく息を吸い込む。

まだ冷えたままの空気がそのままの温度で内側へと侵入する。

「いっちゃん。私はいっちゃんが好きです。

もうずっと。

いっちゃんが家庭教師として現れたあの日から。

ずっとずっと好きでした」

「由さん……」

いっちゃんは目を逸らすことなく私の言葉を聞いてくれる。

「最初は知らなかった。

でも、途中からはなんとなく気づいてた。

なのに気づかないフリをしてた。

そのせいできっと、いっちゃんにもお姉ちゃんにも辛い思いをさせたよね?

ごめんなさい!」