「だけどダメだった。
いくら私が私を騙せたって、私はただの部外者で。
そんなのなんの意味もなかった。
あのね、分かってるんだよ?分かってるの。
いっちゃんもお姉ちゃんも悪くない。悪いのは私。
勝手に思い込んで作り上げてた私なんだ。
自分から殻に籠ってそれを追い出したの……。
でも、裏切られたって気持ちがどうしても消えてくれないの。
なんで?
どうして?
よりにもよってなんでお姉ちゃんなの?
私はいっちゃんもお姉ちゃんも大好きなの。
なのに。そんなことないのに。分かってるのに。
どうしてもダメ、私は二人に欺かれてたんだって思っちゃうの」