あの食器のセンスは……。 数日に一回、きちんと潤っているあの土は……。 私の好みを的確に把握しているのは……。 神崎 千沙。 私のお姉ちゃんだ。 失意の世界は色とりどりの光の粒で満ちていた。 美しいと、思ってしまった。 どれもこれも、目の前に散りばめられた光の粒は偽物なのに。 本物なんてたった一つだって存在していないのに。 それでも……。 だからこそ……。 綺麗だと……。