「俺は、絶対。何があっても、絶対に。

由さんと出会えたことに感謝する。

だって本当に感謝しかないんだ」

なのに、

「由さん……」

いっちゃんは、もう一度目を閉じる。

息を深く吸って。

ゆったり吐いて。

吐いた息は白く染まって天へと昇る。

ふわっと登っていく白い塊は目が離せないくらい儚くて。

暗い空に溶けて消えるのを見守った。