「思い出!何々?なんかセンチメンタルじゃない?」

「そんなことないよ。

たださ、かなり久しぶりにバッティングセンターなんて来たから。

在りし日の私を思い出しちゃったの」

「うん」

言葉少なに答えるいっちゃんを見上げる。

その顔はどこか憂に帯びてて。

先を聞きたいのかと話を続けた。

「知ってると思うけど、私って実はかなりの野球少女だったんだよ」

「うん。知ってる」