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「じゃーん!」

両手をいっぱいに広げて振り返るいっちゃんの、その背後に待ち受けるは、

「うん」

来る途中からまさかと思っていたとおりの見知ったる場所で。

いっちゃんには悪いけど、午前中みたいな返しはできなかった。

「あ、あれー?おかしいな?

ここは由さんの大好きな場所なはずなのに?」

「そうだね。でもそれって五年前までの情報だよ。

いっちゃん古ネタ摑まされたんだよ」