私が書いた

『先生はどんな気持ちでこの和歌を一つ目に選んだんですか?』

の質問に対し、先生の回答は至極あっさりしていた。

『それくらいの気持ちになれる幸せを掴んでやるって思って選んだわ』

……。

これはそう言った前向きな意味の和歌ではないと思うんだけど。

何はともあれ、その日から冬休みまでの数日間、私と先生とのめくるめく交流が始まった。