分かってる。

分かってるけど他にどんな顔をすればいいのか見当もつかないんだから仕方ないじゃないか。

「そうだなぁ」

言いながら、お母さんが用意してくれた紅茶を一口。

そのモーションはゆったりとして。

いっちゃんは本当に大人なんだなと染み染み思う。

「じゃあさ、由さんにだけ特別。

特別に俺の格好悪いところを見せてあげる」

いつもの生命力に満ち足りた光が瞳から消え。

代わりに少し大人びた?

憂いた?

そんな色が浮かび上がる。