いっちゃんは表情を読むのが上手かった。 「“甘いものが食べたいなぁ”だね!」 「すごい!次はこれ!」 いつもは鈍感ないっちゃんがどんどん私の気持ちを読み取ってくれるから。 いまのノリでなら。 この気持ちも伝わるんじゃないかと思った。 「由さん」 私は波に乗っていた。 「俺も。由さんが、好きだよ」