「由さん?始めるよ?教科書出して?」

今日は使えなかったけどキーケースには合鍵があって。

目の前にはドタイプないっちゃんがいて。

家庭教師と教え子という甘酸っぱい設定を携えて。

私の脳内は幸せ満開花畑。

とてもじゃないが勉強になんて集中できない。

それでもやっぱり流石。

いっちゃんの教え方は健在で。

要するに試験勉強はすこぶるに捗りをみせた。

「由さんさすがだね!相変わらず飲み込みが早い!

寧ろなんでいままでが理解できてなかったのかが謎だよ?」