ーーー 愚かな私は一回二回の注意じゃ聞こうともせず廊下を走り続けた。 それも放課後という解放時間に。 あと少し。 あと少しで下駄箱というところで出くわした天敵の名は、河原智子。 「神崎さん」 「はい……」 「何をそんなに急いでいるのかしら?」 「すみません……」 「あら?それは答えではないわね? 何か秘密の事情でもあるのかしら?」