昨日高校の修業式だったことを忘れるぐらい私の気持ちはまだふわふわとしている。


東京は息苦しかった。制服も学校も友達もなにひとつ好きになれたことがない。

でもそれ以上に嫌いなものがあって、ずっと私は〝あの場所〟から逃げ出したいと思っていた。

でも、思っていただけ。


17歳の私は無力で不満や怒りがあっても、それを受け止めて生きていくしかない。

でももし。もしも逃げることができたなら。
全てを捨てて別の場所に行けるのなら。

私は絶対にあの場所には帰らないと決めていた。


だから天気が大荒れの北海道で、飛行機も連日欠航が続いているとニュースでやっていて。きっと私はそんな気持ちだけを抱えながら冬休みの2週間を東京で過ごすことになるんだろうと思ってた。


意地悪な仕打ちばかりしてきた神様がこんな時だけ私に味方をした。

本当に笑える。

運がいいのか悪いのか。それさえも分からずに私を責めるような雪の音だけが耳に残る。

まるで歓迎してないと言われてるみたいで、さらに可笑しくなった。