どうしてこんなにも胸が高鳴るんだろう。

よく晴れた日の夜ならば、見上げればそこに星があるということは知っているのに。何度も何度も見てきたのに。


今までで、一番高いところから見ているからなのだろうか。それとも、繋がれた右手のせい?



空の上で喜びのダンスをしているのか、はたまた旅立つ私達に最後のエールを送ってくれているのだろうか。
輝く光をまといながら、瞬いては消える星たち。


落ち着いて呼吸をしているつもりなのに胸の奥が熱くなって心が躍り、体が震え出すような感覚に陥ると、自然と涙が零れてきた。


冷えた頬に伝う、一筋の涙。



「綺麗だな……。あかりと一緒に見られてよかった」



私も、私もだよ。

そうちゃんと一緒にこの星空を見られて、よかった。

ここに来なければ、こんな気持ちにはならなかったかもしれない。


どうしようって迷っていたのが嘘みたいに、今、もの凄く伝えたいんだ。



いい意味でも悪い意味でも、今まで出会ったことのないタイプのあなたのことが、いつも気になっていた。


どんなに無視されてもうざったいと思われても、私はあなたに笑ってこの町で過ごしてほしかったから。



不愛想だったあなたが初めて笑ってくれた時の顔は、今でもこの胸に焼き付いている。



だからね……心の中にある気持ちを、今まで言えなかった想いを、あたなに伝えたい。






「そうちゃん……私ね……――」