走って走って、最初は重くもなんともなかった段ボールが疲労によって、酷く重たく感じ始める。この紙飛行機の数だけ、アオと私がアオハル部にいた軌跡。





4階まで来た時、ふと窓から見下ろせる景色に見慣れた懐かしい、気だるげな、弱々しい背中を見つける。








「アオ・・・!」








今から階段を降りて走っても、昇降口前まで沢山の人で溢れかえるそこを突破してる暇なんて、ない。そう思ったら私は屋上に向かって走り出していた。







屋上の扉は勿論開いていなくて、近くにあった錆びきったパイプ椅子で思いっきり扉をぶん殴って、そこをこじ開ける。





走って、アオが見えるところまで行こうとした瞬間、足が絡まって思いっきり転ぶ。私の手から離れ、宙を舞うダンボール。屋上中に散らばった数え切れないほどの紙飛行機。







身体の痛みなんて忘れて、急いで立ち上がって先ほど入れた私の想いを込めた紙飛行機を拾い上げて、アオに向かって思いっきり飛ばした。