『“俺のために”って期待させるような嘘、吐かないで。・・・俺、今みたいに“脆い”んだよ』
「・・・アオ、」
そっと近づきそうになったアオの顔は、私の声でふと我に返る。
「嘘なんかじゃない。アオだから・・・アオだったから我も忘れて来たんだよ」
真っ直ぐと至近距離でアオを見つめて、本音を告げる。私の言葉に、不意を突かれたように目を見開くアオ。
そうして、アオの何かが──壊れた。
悲しみに満ちた瞳に、ゆったりと口角を上げたアオは何処までも危なっかしく綺麗で、儚い。私に影を落とす姿は、火傷しそうなほどの熱を込めているくせに、どこまでも私を深く包み込もうとする、優しい人。
アオは私の前髪を優しく払った手で、私の頭を撫でる。そのまま指先を頬に滑り落とすと、何処までも私を慈しむような瞳で涙を滲ませた。
『─────そういう中途半端が1番嫌い』
「、」
『アイツのことまだ好きで、告白もできずに、踏ん切りもつけられてないのに、そういうの、やめろよ』
「違う・・・!そうじゃない!」