『ハルは、進路相談なんて言ったの』
「普通に大学」
『馬鹿か、俺らは普通じゃないんだから大学なんて言えません』
「あ、そうそう。そうやって担任にも言われたよ」
『ふはっ、マジでか。俺ら相当馬鹿じゃんね』
「勉強しておけばよかったーって思うんだけどさ、きっと戻れてもやらない」
『そんなもんだよ、人生。俺は今の自分で良かったって思ってるけどね』
「うわ、幸せ者だね」
『だって実際ハルといられてるわけじゃん』
「、」
『類は友を呼ぶよな。馬鹿の気持ちは馬鹿しかわかんねえかんな』
くすくすと笑うアオに、そっちの意味でかとドキッとしてしまった自分に悔しくなる。こんな奴に、こんな馬鹿に振り回されるなんて、悔しい。
『お待たせ。蜂蜜買っちゃった』
『たくさん味見できたんだよ!紫春たちも行ってくればいいのに』
ほくほく顔で戻ってきた夏子達の手には同じ袋。クレープを食べ終えた私とアオは彼らの背中に見える蜂蜜屋さんを眺める。
『いや、味見した後の上手い逃げ方がわからないんだよ』
「うん。美味しい〜って思ったら衝動買いしちゃうし、店員さんの推しには非常に弱い」
『いやいや、2人とも重く考えすぎ。まあいいや、鶴岡八幡宮行こ!』