勃発する言い合いに故原くんが慌てて間に入る。フーフー息を上げる私とアオはお互いに中指を突き立てて相手を睨みつける。
間に入った故原くんは珍しく困ったような真面目な顔をして私の顔を覗き込む。いつもヘラヘラしているのにこんな顔をするなんて意外と本気で悩んでいるのか。
『あのさ、好きな人と仲良い人の違いってどうしたらわかるの?』
「え?」
『だって、春井ちゃんは紫春とはめちゃくちゃ仲良いけど、』
「え?待って、今の喧嘩に私達の仲良しありました?」
『いやまあ今のは置いといて・・・、でもやっぱり春井ちゃんと紫春は仲良しだよ』
そうしっかりと言い切られてうぐ、と息を呑む。
アオとはずっといるから仲良しとか仲が悪いとかそんなのちゃんと考えていない。まあ確かに気の置けない存在ではあるが、喧嘩ばっかりしているし、仲良しなのかどうかはわからない。きっと根本的に性格合わないし。
「・・・私達ってさ“仲良し”?」
あまりにも答えにくいそれに思わずアオにヘルプを入れれば、げ、みたいな顔をした奴は首を思いっきり捻りながら唸る。