たった独りぼっちの学校はきっと堪らなく寂しい。友達がいない毎日の学校なんて、と考えるのは容易い。
『コミュ障だから何?人見知りだから、学校を間違えたから何?』
「ちょっとアオ!言い過ぎだよ」
なのにコイツは、アオは、苦しむ飛田くんに飄々としたまま他人事のように言って退ける。
私の声に面倒そうに振り向いたアオの瞳は決して気だるげなんかじゃない。ちゃんと篭ってる、優しさも、真剣さも。それなのに。
アオは無言で暫く私を見つめていたが、ふい、とすぐに飛田くんに視線を戻し、言葉を続ける。
『あのさ・・・それはお前の都合で、周りからしたら知ったこっちゃない話』
その言葉に飛田くんの顔が更に歪む。私みたいに感情に流されないアオはただただ事実を述べているだけだ。
『自分が他人の心を読めないように、お前の心を読んでくれる都合の良い他人なんていねーよ』
客観視して、飛田くんのクラスメイト達が彼に対して感じるであろうことを想定した上で言葉を紡いでいる。
『同じ環境、同じ状況で、みんな友達作りに必死になってる時にお前は自分の弱さを正当化して逃げ道をせっせと作ってたんだろ。その当たり前の結果になに今更嘆いてんの』
言い切ったアオは疲れたように私の元にくるとソファーの肘掛けに軽く座る。いやなんなの普通に邪魔なんですけど。