飛田くんの話に私が再び涙腺が崩壊して嗚咽を漏らせば。アオがこちらを振り返り「うるせー」とハエたたきのように思いっきり私の膝を叩く。
女子高生のキラキラ生足膝小僧をハエたたきって、コイツおかしいやっぱり。
アオを睨みつける私に奴はさっさと飛田くんへと顔を向け、迷わず言葉を発した。
『───で?』
『え?』
『だから何?』
アオの感情のない声が飛田くんの心をぶっすりと突き刺す。
私は思わずアオに何か言おうとしたが、いつにも増して冷たくて、それでも真剣なアオの瞳に何も言えずに座り直す。
『お前に友達がいないのはわかった。それで、俺たちに何をしてほしいわけ?友達になれって?友達探し手伝えって?』
『ち、違います』
『だったら何?なんでここに来たの?同情して欲しいから?』
『そんなんじゃ、ないです・・・ッ!』
飛田くんのプライドが彼の顔を上げさせた。
ギュ、と握り締めたズボンにシワが一段と寄る。彼は掻き立てられた憤りとプライドのまま、淡々と挑発するアオに精一杯自分の気持ちを声にする。
『僕はッ、コミュ障だし人見知りで自分からは話しかけられないし、同じ中学の友達がいる所に行けば!学校を間違えたから、違う高校に行ってれば・・・受験で失敗しなければ!・・・でもこんなの親にも誰にも相談できないから、た、・・・助けて、欲しくて、』
認めたくなかったことを怒りのままに露見して、泣き出す飛田くん。