『あ、あの、僕が嫌なこと言ったわけじゃ』
『あーわかってるわかってる。別に嫌なこと言ってもいいけど。で、なんで?』
「あ゛の゛ね゛ア゛オ゛実ば#☆℃*□▽〜」
『お前は喋んなくていい』
私の顔の前に手を翳して制したアオは淡々と言い切って黙らせるために私が好きなカルピスソーダをポイ、と手渡す。ありがとう。
再び俯いてしまった飛田くんに、アオはしゃがみ込む。気だるそうに飛田くんの顔をのぞき込んで首を傾げる。
『あ、の、実は・・・』
『なんでそんな吃ってんの。あ、喉乾いてんの?』
『あ、いや』
『お茶とカフェオレどっちがいい?』
『か、カフェオ、』
『あ、ちなみに、ちなみにね?一応ね?
俺はカフェオレがいいんだけど、君がカフェオレ飲みたいって言うなら俺はめちゃくちゃ我慢してそりゃもう口から腸飛び出る思いでお茶を飲むよ。
──で、どっちがいい?』
『お、お茶で、』
『おっけはいどーッいたっ!は!?なにゴリラ!後ろからいきなり殴んなよ。』
「誘導尋問みたいなことしてんじゃねえよ」と目で訴える。アオは私に殴られた後頭部を擦りながら舌打ちを3回してきやがった。
飲み物を3本買ってきたあたり、やっぱりなんだかんだ優しいなとか関心した私の心を今すぐ返して欲しい。
アオが床に胡座をかいてお茶を飲んだのを見て、飛田くんもカフェオレを飲む。
ちゃんとカフェオレをあげたアオに怒りはプラマイゼロにしてやる。
そしてゆっくりと先ほどと同じことを話し出す。アオは相槌もせず、淡々と聞いているだけ。