「ハナー。またね」

またなんてない。

……こいつが待ち伏せをやめればだけど。

朔の声に応える代わりに大きくため息をつくと多めに吐き出された息は白く濁りながらいつもより高くまで登って、それでもあっという間に溶けて消えた。