だけどどこに行く? 学校にも家にも居場所がない私は一体どこに行けばいい? 「知ってるよ」 俯いた視線の先でしゃがんだ朔の顔が私を見上げる。 朔の色の薄い瞳は柔らかく細められていた。 街に設置されたスピーカーから七つの子のメロディーが風に乗って運ばれて耳に届く。 「ちゃんと知ってる。ハナは優しい子だよ。 優しくて、強くて、それから笑顔がとても可愛い。 ハナは素敵な女の子だ。それと、少し強引かな」