不思議で仕方ないのは私の方だ。

「普通の高校生だけど?」

「なんで私の名前知ってるの?

私はあんたなんて知らないんだけど」

「ハナが教えてくれたんだって。忘れてるだけだよ」

言いながらその人は地面をきょろきょろと見渡すと落ちていた枝を拾い上げて地面に何かを書きだす。

書き終えると片方の手をすっと差し出した。

「僕の名前はサク」

差し出された手は無視することにして地面を見ると『朔』の字が書かれていた。

「どうでもいいけどもう私のことは放っておいて」