昨日は先輩の家に行ってここへは来れなかったから。 二日分の汚れを吐き出すように深呼吸をひとつした。 吐き出された汚れは白く濁って上へと登っていく間に消えていく。 横から吹きつけた風に体温を奪われないようにマフラーを巻き直す。 「ハナ!」 ああ。 またか。 聞きたくもない誰かの声に振り返る。 また目の前に来られるのはごめんだから。