寒々としたトラックを一人で走って更衣室で一人で着替えた。 教室に一人で戻り残りの一コマを受けた。 「忘すらるる身をば思はずちかひてし人のいのちの惜しくもあるかな。 これは右近と言う女性が詠んだ歌です。 現代語訳すると、忘れ去られる私の身はなんとも思わないのです。 けれど愛を誓ったあの人が命を落としてしまうことが心配なのです。 になります。平安時代にはこのようにー」 この人も知っているんだ。