綺麗に掃除された通路を通って、突き当たりの部屋の前で繋いでた手を解いて先輩が鍵を開けた。 「どうぞ」 「お邪魔します」 玄関には家族写真が何枚か飾ってあって、そこには幸せそうに笑っている先輩と両親が写っている。 くだらない。 わざわざ仲良し家族ですってアピールをしたってなんの意味もない。 血が繋がっていたって簡単に壊れる。 ずっと続くものなんてこの世界に何一つないのに。