家族も、友達も、恋人も、自分も。

全てを諦めて捨てていた華の前に現れたのは不思議な少年、朔。

華が拒絶してもめげないそいつに。

汚いものなんか何も知らないみたいに綺麗な表情で笑うそいつに。

いつの間にか振り回されていく華。

「僕はハナを知ってるよ」

朔はそんなことを言うけど華には朔と少した記憶はない。

それに……、朔の語るハナはどれも華とは掛け離れている。

そしてそんなある日、元々不仲だった両親は華を一人置き去りにしてそれぞれに家を出ていってしまう。

どうしてそれでも朔はあんな風に笑えるのだろう。

どうして私にはそれができないんだろう。

傷つき、悩み、苦しむ華。

そんな華の前に現れるのはやっぱり朔で……。

過去を手繰り寄せながら希望を掴もうとする少年少女の物語を、ぜひご一読頂けますと幸いです。