「寒いからどっか入りたいよな。行きたいとこある?」 「特に。先輩はありますか?」 「じゃあさ」 そう言いながら私の手を握って先輩が歩き出す。 私は手を引かれながら先輩の隣を歩いた。 「ウチおいでよ。母さんたち遅いから映画でも観よう」 途中でDVDをレンラルして、コンビニでお菓子とジュースを買ってから先輩の家へと向かった。 もう何度か行ったから道もすっかり覚えている。 私の家とは違うお洒落なマンションをエレベーターで五階に上がる。