そのバス停には古いベンチが設置されていて、そこには数人の女の子が座っていた。

その子たちは駄菓子を片手に、 なにやら熱心に話し込んでいる。

その中で一際目立っていたのがハナだった。

表情をコロコロと変え、頷いたり首を振ったりしている。

ハナの表情はとても生き生きとしていて、僕もハナみたいに感情を表していかなくちゃとパワーをもらった。

だって、たとえ希望でなくとも誰かに引き取ってもらわなければ生きていけない。

僕はそれを知ってはいたけど感謝の気持ちすら表したことがなかった。

だけど、ハナのお陰で別れの日にはきちんと挨拶ができた。