その子が高校に進学したのをきっかけに、僕の存在はその子にとってストレスになってしまった。

高校の勉強は想像を絶してレベルが高かった。

僕は遠慮して勉強を教えてもらうのをやめた。

それでもそれまでに培ったコツのお陰で僕の勉強は捗った。

それと反比例して、その子の成績は思うように上がらなかった。

「朔に勉強の仕方なんて教えてたから私はいま苦労してるんだ!」

「無理だよ!他人がいると気が散っちゃう!」

「もういいじゃん!早く次の家に追い出してよ!」

僕は何も言えなかった。