「大丈夫、大丈夫」 「何がいいの?何が大丈夫なの?」 ハナはただ優しいだけなのに、僕はそんなハナに意地悪をした。 無理だった。 何も知らないハナに苛立った。 どうして僕だけが、と思ってしまった。 「我慢しなくていいの。泣いても大丈夫、大丈夫」 なのにハナはそんな僕を受け入れてくれた。 絡めた腕に力を込めて、優しい声音で答えてくれた。